エンジニアを目指す浪人のブログ

情報系に役立ちそうな応用数理をゆるめにメモします

関数解析

ブレグマン距離の定義について考える

本記事は以下の過去記事の内容を用います.フレシェ微分が勾配に一致するための条件と,勾配は双対空間の要素であることについて考える - エンジニアを目指す浪人のブログ 以下の過去記事も参考になります.内部と相対的内部の違いについて考える - エンジニ…

フレシェ微分が勾配に一致するための条件と,勾配は双対空間の要素であることについて考える

勉強を進めていて,関数解析のフレシェ微分(Fréchet derivative)と数理最適化において不可欠な概念である勾配(gradient)の関係とくにどのような設定においてフレシェ微分は勾配になるのか,またなぜ勾配が双対空間の要素になるのか,についてモヤモヤしてし…

フーリエ級数の基礎をまとめる

工学系の学生向けの教科書や講義においてフーリエ級数(Fourier series)を扱うとき,三角関数や複素関数を用いた具体的な級数を用いて表現する場合が多いと思います.本記事では,関数解析の教科書に記述されている,フーリエ級数の数理的基盤になっている関…

二次ノルムの双対ノルムを導出する

本記事は以下の過去記事の内容を用います.二次ノルムの定義をメモする - エンジニアを目指す浪人のブログ行列式の対数はその行列の凹関数であることを証明する - エンジニアを目指す浪人のブログ 勉強を進めていて,二次ノルム(quadratic norm)の双対ノルム…

有限次元ベクトル空間の双対空間の基底の構成をまとめる

関数解析を勉強していて,有限次元ベクトル空間の双対空間(dual space)の基底(basis)(双対基底(dual basis))の構成についてモヤモヤしてしまったので,メモしておくことにしました.Kreyszig(1989)のsection2.9をベースにしてまとめます. 問題を設定するた…

有限次元ベクトル空間上の線形作用素を表現する行列を構成する

線形代数や関数解析を勉強していて,線形写像(linear mapping)あるいは線形作用素(linear operator)と行列(matrix)の関係がいつもよく理解できずにモヤモヤして終わってしまうので,線形作用素を表現する行列の構成についてメモしておくことにしました.問題…

連続関数の空間はLpノルムのリーマン積分版?について完備でないことを証明する

関数解析の勉強をしていて, 上の全ての実数値連続関数からなる(ベクトル)空間はノルム について完備ではないという事実を知りました(測度論における 空間は完備であるのに!).なのでその証明をメモしておくことにしました. 問題の設定のため,ここでは 上…

有界線形作用素の定義の有界についてすこし考える

関数解析の勉強をしていて,有界線形作用素(bounded linear operator)の定義のうち,有界とはどういう意味であるか,をさくっと理解できずにモヤモヤしてしまったので,その解釈をメモしておくことにしました.問題を設定するため,過去記事2.2-1 Definition…

ノルムの連続性を証明する

関数解析の勉強をしていて,教科書のノルムの連続性についての記述が証明の方向性を示すのみだったので,証明を完成させることにしました.問題を設定するため,以下の定義をしておきます.Kreyszig(1989)から引用します. 2.2-1 Definition (Normed space, …

Lpノルムの極限がL∞ノルムであることを証明する

測度論や関数解析の勉強をしていると,ノルムの極限が ノルム(L無限大ノルム)であることを証明なしで用いている場合を目にします.そこでモヤモヤすることがあったので,その証明を調べることにしました.問題を設定するため,以下の定義をしておきます.Rud…