エンジニアを目指す浪人のブログ

情報系に役立ちそうな応用数理をゆるめにメモします

2016-01-01から1年間の記事一覧

シリンダー集合について考える

確率解析(連続確率過程)を勉強していると序盤の設定のところでシリンダー集合(柱状集合)が突然現れ,離散確率過程とのギャップにモヤモヤすることがあったので,シリンダー集合について調べることにしました. 上の連続関数の集合 を考え,距離 を導入します…

可分距離空間についてすこし考える

確率論を用いている文献を見ていると,可分(separable)という概念を目にすることがあります.そこでモヤモヤしてしまうことが多いので,どのようなものか調べることにしました.可分性は位相空間に対して定義される性質ですが,歴史的には初めて導入されたと…

σ-加法族とボレル集合体の定義を調べる

測度論や確率論における重要な概念としてσ-加法族(-algebra)とボレル集合体(Borel -algebra)があります.それらについて頭を整理するべく調べていたのですが,Williams(1991)の記述が明快ですので,少し長いですが引用します. Let be a set.Algebra on A co…

ディリクレ過程の定義を考えるその3 (サンプリング)

本記事は以下の2つの記事の続きです.これらの記事で用いた記号を説明なしで用います. ディリクレ過程の定義を考えるその1 (ディリクレ過程の定義を調べる) - エンジニアを目指す浪人のブログ ディリクレ過程の定義を考えるその2 (ランダムな確率測度とはな…

ディリクレ過程の定義を考えるその2 (ランダムな確率測度とはなにか)

本記事は前回の記事の続きです.前回の記事で用いた記号を説明なしで用います. ディリクレ過程の定義を考えるその1 (ディリクレ過程の定義を調べる) - エンジニアを目指す浪人のブログ それでは,ランダムな確率測度とはどのようなものでしょうか.確率空間…

ディリクレ過程の定義を考えるその1 (ディリクレ過程の定義を調べる)

勉強を進めているうちにディリクレ過程(Dirichlet process)というものを知ったのですが,Wikipediaを見る程度ではよくわからなかったので,どのようなものかイメージできる程度まで文献を調べることにしました.以下のスライドに定義を載せます.ディリクレ…

確率過程の定義についてすこし考える

確率過程(stochastic process)というと,時間とともに変動し実数(or実数を要素とするベクトル)に値をとる確率変数,を目にする機会が多いと思います.数学的な定義はどのようなものでしょうか.例えば,Kuo(2006)には以下のように書いてあります.----------…

Akaike(1973)にしたがってAICを導出してみる

統計学におけるモデル選択基準としては,赤池情報量規準(Akaike's Information Criterion; AIC)が最もよく知られていますが,原論文Akaike(1973)にてその導出を勉強しました.以下はその記録をスライドにしたものです. speakerdeck.com 参考文献[1] Akaike,…